ITエンジニアが取得すべき資格について

ITエンジニアが取得すべき資格について

エンジニアになるには、資格は必要ありませんが、資格を取得すると、実務上役に立ったりキャリアップにつながったりします。ここでは国家・民間問わずエンジニア向けの資格をご紹介します。スキルアップや昇給を希望するエンジニアの方は、資格取得を検討されてみてはいかがでしょう。

 

IT資格の重要性

IT資格は、会社のなかにおけるキャリアアップを意識する場合、公正な評価を得やすいでしょう。IT資格保有はアピール材料になります。

IT技術に関する熱意や新技術習得への向上心にもつながります。また、資格取得に向けて勉強することで、満足感や達成感を得ることができます。

 

取得するべきIT資格

どの職種にどの資格が有効かはITスキル標準(ITSS)で確認することができます。

特定の職種でキャリアアップを目指すのであれば以下の資格も重要です。

 

■データベース系エンジニア向け資格

- Oracle Databaseのエキスパート!世界に通じる資格「Oracle MASTER」

DB管理とSQLを書く能力の両方を認定するIT資格で、世界共通基準の認定資格です。リレーショナルデータベースのシェアは約半分となっており国内トップシェアを誇るデータベースを扱えるという技術の裏付けになります。RDBとSQLの基礎を身に着けられます。

オラクルマスターのグレードには、簡単な方から「Bronze(ブロンズ)」、「Silver(シルバー)」、「Gold(ゴールド)」、「Platinum(プラチナ)」の4つがあります。

参考:ORACLE MASTER Portal


■Webデザイナー向け資格

- Webにおけるプロフェッショナルはこの資格!「HTML5プロフェッショナル認定資格」

「HTML5プロフェッショナル認定資格」は、HTML5やCSS3、JavaScriptなど最新の次世代Web標準言語に関する知識と技術力を認定する資格です。特定非営利活動法人(NPO)エルピーアイジャパン(LPI-Japan)によって実施されます。LPI-Japanは、ベンダー・メーカーに依存しない「中立・公平・厳正」な資格試験であること、HTML5のプロフェッショナルのスキルの向上に役立つこと等をメリットとしています。HTML5プロフェッショナル認定試験の構成は、レベル1(静的なWebコンテンツのデザイン・作成)とレベル2(動的なWebコンテンツのデザイン・作成)の2つのレベルで構成されます。

参考:HTML5プロフェッショナル認定試験


■プロジェクトマネージャー向け資格

-今後のプロジェクトマネージャーとしてのキャリアアップにも役立つ「PMP」

PMP® とは、PMI 本部が認定しているプロジェクトマネジメントに関する国際資格です。

PMP® 試験は、PMI が策定した知識体系である PMBOK® (Project Management Body of Knowledge) ガイド に基づいて実施され、受験者のプロジェクトマネジメントに関する経験、教育、知識を測り、プロフェッショナルとしての確認を目的として実施されます。

受験には、実務経験(8年以内に、一定時間以上の実務経験(大卒者:4500時間/高卒者:7500時間以上)と、一定期間以上のプロジェクトマネジメントの経験(大卒者:36か月/高卒者:60か月以上)が必須とされています。

参考:PMI® 試験・資格について


■TOEIC

近年の技術開発は、外国人との共同開発も多く、円滑に作業を進めるには英語は必須のスキルともいえます。TOEIC Listening & Reading Testは、英語コミュニケーション能力を公平公正に評価する世界共通の基準としてのTOEIC Programのなかのテストの1つ。問題数200問(リスニング100問・リーディング100問)で制限時間は2時間(リスニング45分・リーディング75分)。マークシート方式で行われます。

参考:TOEIC Listening & Reading Test|【公式】TOEIC Program|IIBC


■応用情報技術者

「応用情報技術者試験」は「基本情報処理技術者試験(FE)」の上位の試験で、同じく国家資格となっています。

「基本情報技術者試験」よりもひとつ高いスキルレベル3となっています。

応用力が求められるだけに経験を積んだエンジニア向けの資格となっており、「基本情報技術者試験」を取得後、次に目指す試験となっています。合格率は23.1%(H30 実績)です。

参考: 応用情報技術者試験


■情報セキュリティスペシャリスト

現在は「情報処理安全確保支援士」という資格があり、これが情報セキュリティスペシャリストをベースとしたものになっています。

※情報セキュリティスペシャリストの資格は、2016年10月21日に実施された情報処理技術者試験規則改正によって廃止されています。

 

情報処理安全確保支援士は情報セキュリティスペシャリストからほとんど変更のない移行で、国内のセキュリティに関連する試験のなかで難易度が高いです。(合格率は14.9%(H28 実績))応用情報技術者試験合格レベルの知識は必要といわれています。

参考:情報セキュリティスペシャリスト


■データベーススペシャリスト

システムを支える膨大なデータを効率よく管理し、パフォーマンスが高く、強靭でデータ追加修正が容易でメンテナンス性の高いシステムを構築することを目指す方にお勧めの資格です。合格率は13.9%(H30 実績)です。

参考:データベーススペシャリスト


■エンベデッドシステムスペシャリスト

あらゆるものがつながるIoTの議論が沸騰していますが、ハードウエアとソフトウエアを適切に組み合わせてシステムを構築することが求められています。合格率は17.8%(H30 実績)で難易度の高い国家資格です。

参考:エンベデッドシステムスペシャリスト

実際のところエンジニアの場合、もっとも重要視されるのは、資格よりも「実務経験」です。ここでご紹介した資格は、実務経験が必須のものもあります。

実務経験でスキルを磨き、そのスキルを追認するため資格を得るのも良いでしょう。



この記事を書いた人

野田 和生

アトムコンサルティング 代表

岐阜大学工学部大学院工学研究科を卒業後、電機メーカー、ベンチャー企業勤務を経て、2012年5月、アトムコンサルティングを設立。中小企業IT化支援をメインに、関東地区で、中小企業に対して様々な支援を実施。ITコーディネータ。

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