悪名名高いクラッカー、ケビン・ミトニックを追い詰めた伝説のハッカー下村努

悪名名高いクラッカー、ケビン・ミトニックを追い詰めた伝説のハッカー下村努

日本人ハッカー下村努は、アメリカの伝説のクラッカー、ケビン・ミトニックの逮捕に協力した人物としてその名が知られています。ハッカーVSクラッカー、IT関連の従事者であれば関心を抱かずにはいられない構図です。ハッカー下村努がクラッカーのミトニックを追い詰めた経緯を簡単に解説します。

■ハッカーの本来の意味

アニメや漫画の世界では、ハッカーはコンピュータに不正侵入したり改ざんといったハッキングを行う人物とされていますが、本来はコンピュータに関する深い知識と高い技術力を持つ人物を指します。不正侵入や改ざんなどを行う人物は、正しくはクラッカーと呼びます。ハッカーはコンピュータ技術を善意的なことに使用し、クラッカーは悪用するという違いがあります。

■伝説のクラッカー、ケビン・ミトニック

ケビン・ミトニックはカリフォルニア大学サンディエゴ校にあるサンディエゴ・スーパーコンピュータ・センターに対してDoS攻撃の一種である SYNフラッド攻撃を仕掛けたり、.rhostsファイルの改ざんなどを行い、FBI(連邦捜査局)に追われていました。1995年2月15日に逮捕された後は、コンピュータ知識・技術を善良な目的に活かすホワイトハッカーとして活躍しています。

■ミトニック逮捕に協力した伝説のハッカー下村努

下村努は国家安全保障会議や空軍に協力を要請されるほど、トップレベルのコンピュータセキュリティの専門家として知られていました。ケビン・ミトニックを追っていたFBIは下村努に助言を求めており、それを知ったミトニックは下村努の自宅のコンピュータに侵入してプログラムを盗み、さらに愚弄するメッセージを残して挑発を行いました。しかし、この行為がミトニックの逮捕につながることになります。

ミトニックはWELLというインターネットコミュニティに盗みだしたデータを隠していました。このことに気付いたWELLの主催者が下村努に知らせ、ミトニック本人であると確信が得られたため、FBIや他の専門家と協力してノースカロライナ州のアパートに潜伏していたミトニックの居場所と突き止めました。

下村努はあのケビン・ミトニックの逮捕に協力したハッカーとして注目を集め、全米中のマスコミが彼を取り上げました。ミトニック逮捕までの経緯は、下村努とニューヨーク・タイムズの記者ジョン・マーコフとの共同著作「Takedown」で語られています。2000年には「Takedown」を原作とした映画「ザ・ハッカー」が公開されました。「ザ・ハッカー」では下村努本人がカメオ出演しています。

案件を探す