2019年〜2020年システムエンジニアが取得するべき資格6つ

2019年〜2020年システムエンジニアが取得するべき資格6つ

この記事は2020年8月3日に更新しました。

システムエンジニアにとって、資格って就職や転職に有利になったり、年収が上がったりするの?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。

システムエンジニアには必ずしも資格が必要なわけではありませんが、企業の人事では客観的な評価を行う指標として資格が用いられることがあります。

今回は、システムエンジニアの仕事内容と、取得しておくと有利になると考えられる資格をご紹介します。

システムエンジニアになるためには

システムエンジニアになるためにはITや情報処理、データベースの構築やプログラムに関する専門的な知識などが求められます。

そのため、学生の方であればIT、情報処理関係の学校を卒業しておくことが現実的です。また転職を考えている方であれば、上述のようなシステムエンジニアに必要な専門知識を勉強しておく必要があります。

システムエンジニアとしての基本的なスキルを正しく身につけるために、資格試験はとても有用です。資格の勉強を通じて、業務に必要な情報を頭に入れておくと、実践の際にスムーズに対応できる可能性が高まります。次の章から、資格にはどういったメリットがあるのかを具体的にご紹介します。

資格を保有するメリット

エンジニアが資格を保有するメリットは、大きく3つに分けてあげられます

スキルの証明になる

スキルアップできる

給料/キャリアアップにつながる


スキルの証明になる

システムエンジニアは、スキル力が目に見える形で現れにくい仕事です。スキル力が示せないまま埋もれることなく、自分のアピールをするためには資格はとても有用です。

たとえばこれからご紹介する「基本情報技術者試験」を持っていれば、コンピューターのしくみやシステム開発工程、プログラム言語など、システムエンジニアとして必要な知識の基を学んでいて、そしてその知識を体得できている人だと証明できます。

一方、いくら経験を積んでいても資格がない場合、履歴書や職務経歴書などの書面などに記載する場合、スキルの証明が難しいともいえるでしょう。


スキルアップできる

資格試験のために、まず基本的な知識が求められます。そのため資格試験の勉強をすると、初心者向けの資格でも高難易度なベンダー試験でも、体系的なスキルをしっかりと順番立てて身につけることができるのです。その体系的なスキルに応じて、新しい案件で実践できて、さらなるスキルアップができます。


給料/キャリアアップにつながる

IT企業など専門系会社によっては、資格を取った場合に毎月の給料に上乗せされる報酬制度を導入しています。また出世する際や、もしくは中途採用に上位のスペシャリスト資格を取得することを条件にする会社もあります。

責任のあるポジションには資格を持った人を置いて信頼を高めたり、有資格者が多数在籍している会社であることをアピールしたいという、会社側のメリットもあるためです。

資格の種類

ここからは、システムエンジニアのキャリアに有利となる資格をご紹介していきます。

システムエンジニアに関係する資格には大きく2つに分けて「国家資格」と「ベンダー資格」があります。国家資格は企業が積極的に取得を推進しており、ベンダー資格は即戦力としてのアピールができるので、より自分にあった資格を選びましょう。

国家資格

国から委託を受けた「IPA(独立行政法人情報処理推進機構)」が主催する国家試験です。現在最も人気であり、「基本情報技術者試験」もこの国家資格に属します。

国家資格は企業が積極的に取得を進める傾向があり、昇進や転職に大いに役立つ可能性が高いといえます。

ベンダー資格(民間資格)

国が行っているのではなくマイクロソフトやオラクルなどの民間のベンダー企業が独自に実施している資格試験のことです。

ベンダー資格は実務で使用する技術を使いこなせる即戦力としての証明になり、就職に有利となります。

システムエンジニアに役立つ資格6つ

ここからは、具体的にシステムエンジニアにとってメリットのある有名な資格を6つ紹介します。各資格によって、アピールできるスキルや業務内容が異なりますので、それぞれを比べてより自分にあった資格を探してみてください。

【国家資格】基本情報技術者試験(FE)

【国家資格】応用情報技術者試験

【国家資格】システムアーキテクト試験(SA)

【ベンダー資格】Linux技術者認定試験(LPIC)

【ベンダー資格】ORACLE MASTER

【ベンダー資格】Cisco技術者認定


【国家資格】基本情報技術者試験(FE)

最も多くのエンジニアが取得している資格が、この「基本情報技術者試験」です。情報技術のベースである知識と技術を有し、実践的な応用スキルを習得していることを判断する試験です。情報技術だけでなく、最低1つのプログラミング言語に関する実用レベルの知識も必要です。

【公式サイト】
基本情報技術者試験(FE)

【出題範囲】
・基礎理論
・アルゴリズムとプログラミング
・コンピューター構成要素
・システム構成要素
・ソフトウェア
・ハードウェア
・プロジェクトマネジメント
・サービスマネジメント
・システム監査
・システム戦略
・システム企画
・経営戦略マネジメントなど

【合格率】
20-30%程度(受験者数は14,5万人程)

【受験料】
5,700円(税込)


【国家資格】応用情報技術者試験

プロジェクトにおいて戦略を立てられるかなど、実践的な知識や技能を求められる試験です。取得しておくと、システムエンジニアとして即戦力となる人材であることを証明できるでしょう。

【公式サイト】
応用情報技術者試験

【出題範囲】
・基礎理論
・コンピュータシステム
・技術要素
・開発技術
・プロジェクトマネジメント
・サービスマネジメント
・システム戦略
・経営戦略
・企業と法務など

【合格率】
20%程度(受験者数は9,10万人程)

【受験料】
5,700円(税込)


【国家資格】システムアーキテクト試験(SA)

システム開発の上流工程において、情報/組込みシステムの要件定義や設計開発を主導したりする。より上流の工程を目指す人にとっては、一番価値のある資格といえます。

【公式サイト】
システムアーキテクト試験(SA)

【出題範囲】
・提案依頼書(RFP)の準備
・提案書の準備
・プロジェクト計画立案の支援
・システム化計画の立案
・要件の識別
・システム開発の準備
・システム要件定義
・システム方式設計
・ソフトウェア要件定義
・ソフトウェア方式設計
・ソフトウェア詳細設計
・システム結合
・業務運用の評価など

【合格率】
10-15%程度(受験者数は1万人程)

【受験料】
5,700円(税込)


【ベンダー資格】Linux技術者認定試験(LPIC)

Linux技術者認定試験では、サーバーなどで用いられているOSであるLinuxの管理や操作方法についての知識が求められます。難易度はlevel1⇒level2⇒level3の順番で難しくなります。

【公式サイト】
Linux技術者認定試験(LPIC)

【出題範囲】
・Linuxの基本操作とシステム管理
・Linuxディストリビューションの基本知識
・トラブルシューティング
・キャパシティプランニング
・セキュリティ設計
・仮想化技術や高可用性システムの設計、構築、運用・保守

【合格率】
非公表ではあるが、想定35%程度
(受験者数の合計が30万人程、有資格者が12万程のため)

【受験料】
Level1, 2 ⇛ 15,000円(税込)
Level3 ⇛ 30,000円(税込)


【ベンダー資格】ORACLE MASTER

データベース大手の「日本オラクル社」が主催する「Oracle Database」を扱うスキルの資格試験。データベースの管理/運用のほか、SQLのスキルレベルが求められます。

【公式サイト】
ORACLE MASTER

【出題範囲】
・DBの作成・運用保守・削除操作
・データベースを操作するためのSQLの文法
・バックアップとリカバリとチューニング
・パフォーマンス管理
・障害対応

【合格率】
非公表

【受験料】
会場試験:28,728円(税込)

オンライン試験:14,688円(税込)


【ベンダー資格】Cisco技術者認定

ネットワーク機器大手の「シスコシステムズ」が主催しているネットワーク資格試験。主にネットワークエンジニア、およびインフラエンジニア向けで、「エントリー」「アソシエイト」「プロフェッショナル」「エキスパート」「アーキテクト」の難易度順に別れていて、特に「CCNA(アソシエイト)」「CCNP(プロフェッショナル)」「CCIE(エキスパート)」が人気です。

【公式サイト】
Cisco技術者認定

【出題範囲】
・ネットワーク設計
・ルーティング&スイッチング
・クラウド
・コラボレーション
・データセンタ
・インダストリア
・セキュリティ
・サービスプロバイダー
・ワイヤレス

【合格率】
非公表

【受験料】
CCNA
・1科目受験 39,000円(税抜)
・2科目受験 39,600円(税抜)

CCNP
・ネットワーク設計 ⇛ 108,000円(税抜)
・その他 ⇛ 144,000円(税抜)

CCIE
・筆記試験:54,000円(税抜)
・ラボ試験:192,000円(税抜)
・総額:246,000円(税抜)

まとめ

いかがでしたでしょうか?

もちろん「システムエンジニアにとって資格は必要ない」という声もあります。確かに初心者向けの資格ばかり取得していても、実践で役に立たない技術ばかり習得していても意味はありません。

しかし体系的に基本知識の勉強を行ったり、ベンダーツールの発展した内容を習得することは、就職やスキルアップに大きなメリットとなります。

この記事を読んで、ご自身にあった資格を見つけてエンジニアとしてさらなる発展をぜひ目指してください。

この記事を書いた人

村上昴平

東京都渋谷区で活動しているフルスタックエンジニア。大手半導体企業、大手SEO企業を経て独立。 国内最大手エンジニアコミュニティQiitaにてプログラミングに関する情報を発信し続け、ユーザー1位を複数獲得している。

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