フリーエンジニアとは、特定の企業に所属せず、個人事業主として仕事を請け負うエンジニアのことです。仕事内容や作業時間は自由に設定できます。成功するためには事前に入念な準備をしておくことが肝要です。
独立してフリーエンジニアになるのに適した年齢
20代での転身を薦める意見もありますが、特に適した年齢はありません。
自身で持っている技術が会社で十分に生かされていない、十分なスキルを具備しているのに活躍の場が与えられないと感じている、自身の持っている技術が現場で十分活用できると確信を持っている場合などが転身のチャンスです。
40代、50代でも幅広い人脈を持ち、高い折衝能力があれば転身しやすい場合もあります。コンサルティング等であれば年齢はあまり関係がないとの見方もあります。
フリーエンジニアになるタイミング
現状に甘んじず、自身で社会に貢献できるテリトリを見出し、実力を磨いた実績があるのなら、その時こそチャンスです。
現在、兼業を認めている会社も増えていますが、会社員の時に案件を獲得して実務を経験しておくことも自信につながります。
また、他のメンバーと協力しなくても独力で特定の業務を遂行できる能力が自分にはあると感じている時こそ、転身のタイミングとも言えます。
フリーエンジニアになるなら実務経験を一年は積む
業界の流れ、今後の流れをつかむうえでも、実務経験は必要と思います。
最低一年は必須ですが、できれば数年かけて時流の動きを見据えるほうがいいと思います。
プログラミング等の実技だけでなく、契約の方法、保守、維持管理等のノウハウも把握しておきましょう。
経済産業省の平成27年度小規模事業者等の事業活動に関する調査に係る委託事業報告書( https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2016fy/000334.pdf )p111によると、5年以上の就業経験を積み、30代で独立される方が多いようです。
フリーエンジニアが収入を増やすためのポイント
収入を増やすためのポイントは、二つあります。技術力とコミュニケーション能力です。
■エンジニアとしての技術力
技術の進歩は近年激しさを増すばかりです。IT関係は、人工知能、IoT、環境技術、ロボット等進歩が激しいものばかりです。
人工知能では、Pythonが注目されていますし、IoTといっても応用範囲は多方面にわたります。
ディープラーニングが特に注目されており、ディープラーニング協会の「G検定ジェネラリスト」、「E資格エンジニア」( https://www.jdla.org/business/certificate/ )資格取得は有効と思われます。
現状に甘んじず、常にアンテナを張り巡らせ、新しい技術を貪欲に吸収することが求められます。
■コミュニケーション能力
フリーエンジニアとして仕事をする場合でも、客先のエンジニアとの接触は必ずあり、そこで先方のニーズを正しく読み取り、具体的な提案をするために、コミュニケーション能力は必須になります。先方の要望を取り違えたり、間違った方向の提案をしたりしていては収入を増やすどころではありません。
相手が何を意図して、着地点をどこに置いているかを見極めることが大切です。
フリーエンジニアに必要なスキルとは
プログラミング言語だけでなく、要件定義、基本設計等ができることが望まれます。
プログラミング言語別の案件数と金額相場
※2019年8月 AKKODiSフリーランス調べ
たくさんの企業から求められているスキルは「Java」「Linux」「PHP」などが中心です。
Javaは現在も多くのプロジェクトで採用されているため案件が多いことも特徴です。
Linuxはサーバーに使われるオープンソースのOSです。また、PHPは、現在Webアプリケーションを中心に多くのプロジェクトで採用され、ソーシャルメディアに代表される大規模なWebサイトやECサイトまで幅広く案件があることも特徴です。
※2019年8月 AKKODiSフリーランス調べ
一方、受託金額の相場別でみると、「Java」「PHP」よりも「Ruby」や「Python」の方が5万円~10万円程度、単価が高くなっており、クライアントニーズが高いことがうかがえます。
また案件数は少ないですが、「Kotlin」「Scala」「Go」などの比較的新しい言語は金額相場が高く、希少性の高いスキルになっています。
※「SAP」は開発言語ではなくERPです。
「Kotlin」は昨年 5 月に Google が Android アプリ開発の公式言語として追加すると発表したことが話題となり、ニーズが急上昇しています。
「Scala」は、オブジェクト指向言語と関数型言語の特徴を併せ持った言語で、アメリカの Twitter やLinkedIn で利用されています。
「Go」は、C 言語に代わりDocker などの基盤ソフトウェアの開発で採用され、ツール開発などさまざまな分野で利用されています。
記事まとめ
フリーランスには、向き不向きがあります。この記事をきっかけにじっくりお考え下さい。進路に迷われている方には、各種資格の取得をお勧めします。
国家資格、民間資格等を獲得していると受注もしやすくなります。
この記事を書いた人
プロフィール
監修:アトムコンサルティング 代表 野田和生(ITコンサルタント)
岐阜大学工学部大学院工学研究科を卒業後、電機メーカー、ベンチャー企業勤務を経て、2012年5月、アトムコンサルティングを設立。中小企業IT化支援をメインに、関東地区で、中小企業に対して様々な支援を実施。ITコーディネータ。